脳がつながっている感じ2009年10月11日 14時32分19秒

自由北朝鮮運動連合が北朝鮮向けに小型ラジオを大型風船で飛ばしたというニュースを聞いて、「The network devices is the media.」という言葉が浮かんだ。

風船自体は北朝鮮に届かなかったようだし、ラジオはインターネットに象徴される双方向のネットワークデバイスとは微妙に異なるが、こうした現象を見聞きするにつけ、最近急速に進むネットワークデバイスの小型化、低価格化に思いを馳せずにはいられない。こうした動きは今後ますます加速していくはずだ。

ネットワークデバイスの小型化、低価格化による普及が進めば、情報共有化、知の共有化はますます促進され、「脳の一部←→ネットワークデバイス←→ネットワーク(近頃流行のクラウドコンピューティングなんかもふくめて)」という、いわゆる「脳がつながっている感じ」がとりたてて特別な状況ではなくなっていくはずだ。

もちろん、その「つながり具合」に微妙な違和感を感じて、「ちょっとこれは違うんじゃない?」と感じる人が出てくるのかもしれない。しかし、大半の人にとっては目先の便利さが優先する。特に「つながり」を意識されることなく、ネットワークはますます日常の中に深く浸透していくことだろう。

そんな時代のネットワークデバイスが果たす役割--その一つが、これまで新聞、TV、ラジオ、電話、チラシ、看板、のぼりなどが果たしてきたメディアの役割だ。従来のメディアと大きく異なるのは、双方向性による情報の更新性および最適化という機能だ。ネットワークデバイスは、従来のメディアが浸透しにくかった生活のさまざまな場面に、まるでアメーバのように滑り込み、そこから有用な情報をフィードバックし、それに最適化した情報を再び送り込むといったことを苦もなくやってのける。情報は定着よりも変容にシフトし、常に更新と消費を繰り返すことになる。供給は、従来のメディア専業者だけでなく、ごく普通のネット発信者からも行われ、これまでの需要と供給のバランスは崩れる。供給は過多となり、必然的に価格の低落を生む。価格下落がどこまで進むかは、情報の価値評価と、その供給量との兼ね合いにかかっているが、いまはその分岐点が見えない。新たな需要と供給のバランスは果たしてどのような形で整ってくるのか?

「メディアのあり方が変わってきた」とは、すでに何年も前からいわれてきたことだが、ネットワークデバイスの普及が一段と進めば、そのことが一段と明確になってくることだろう。メディアの行く末にますます興味が募る。

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